衛戍監獄と代々木練兵場
衛戍は「えいじゅ」と呼ぶのだ
かつて、渋谷区役所周辺は衛戍監獄という軍法会議で有罪となった者の収容所でした。NHK放送センターから代々木第一体育館あたりが軍事訓練のための練兵場だったので、一帯は軍事用地でした。
1934年(昭和9年)2月26日に、軍部内の方針対立がエスカレートして、「昭和維新」を唱える皇道派の軍人らが政権転覆の軍事クーデターを起こしました。これが「二・二六事件」です。クーデター一派は、高橋是清蔵相らを殺害したものの、天皇の支持を得られず、結局クーデターは失敗に終わりました。
首謀者らは、この衛戍監獄に収監され、その後銃殺刑となりました。
二・二六事件の慰霊碑
戦後、処刑された者の遺族らが処刑者を弔う慰霊碑を建てました。この慰霊碑の脇にある煉瓦は、衛戍監獄の塀だったそうです。
慰霊碑の仏像が、NHK放送センターを向いてみているのは、処刑場所がNHK放送センター敷地内だからという説があります。昔の地図をみると「なまこ山」というあたり
そのためか、NHK放送センター東館あたりでは、「霊を見た」という噂も流れました。
ジャニー喜多川と神南
戦後、代々木練兵場跡地は米軍に一時接収され、「ワシントンハイツ」として米国軍人らの居住地になっていました。ジャニー喜多川が、ここで少年野球団を結成して、のちの「ジャニーズ事務所」に育てていったことからも、ここは縁のある場所だったということなのです。
ジャニーズ事務所は、事業を拡大して神南にいくつかのビルを所有しました。これは、NHK放送センターが近かったということに加えて、自分の事業立ち上げのこだわりの土地であったことが大きかったのでしょう。
宇田川の暗渠とカフェ
代々木八幡駅からサイバーエージェントビルにかけて、宇田川の暗渠道が続きます。
細い路地に、多くのカフェが開店しました。
2010年ごろから増え始めましたが、きっかけはボンダイカフェ(今はない)やfuglenあたりでしょうか。
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